2022年10月にドラマも好評だった「親愛なる僕へ殺意をこめて」。
原作はヤングマガジンで連載していた同名漫画で、単行本11巻で完結しています。
ここまで漫画にのめり込んだのは久しぶりで、衝撃的な展開の連続に悶絶しながらあっという間に読み終えてしまいました。
ここでは、漫画の「親愛なる僕へ殺意をこめて」の真犯人は誰かについてを暴露します。
コミック版の「親愛なる僕へ殺意をこめて」は漫画王国で全巻読むことができます。
かなり面白いので、漫画で原作を読むことをおすすめします。
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漫画「親愛なる僕へ殺意をこめて」の真犯人ネタバレ
LL事件の犯人=真犯人
「親愛なる僕へ殺意をこめて」の物語の根幹は、15年前に起こった連続殺人事件、通称LL事件にあります。
このLL事件の犯人とされているのが主人公「八野衣エイジ」の父親「八野衣真」であり、指名手配中に焼身自殺により死亡。
被疑者死亡で事件は幕を閉じた訳ですが、「殺人鬼LL 」の起こした残酷な連続殺人事件、通称「LL事件」として語り継がれることになります。
主人公は小さなころから、この事件の犯人は父親ではなく別にいると考えており、真犯人を探し出して復讐をすると誓いました。
そして、復讐のエイジ(八野衣エイジ)と良い子のエイジ(浦島エイジ)の二重人格者になって生きていくことになります。
つまり、「親愛なる僕へ殺意をこめて」の真犯人とは15年前に起こった連続殺人事件であるLL事件の犯人のことなんですね。
ずばり、真犯人は誰??

原作の真犯人は主人公エイジの養父、浦島亀一です!!ドラマではエンケンが演じてましたね。
エイジの父である八野衣真は当時、風俗店を運営しており、浦島亀一と協力して家庭で虐待を受けている少女を逃がす手助けをしていました。
真は少女の夜逃げを手助けし、浦島亀一はその少女たちの逃亡先でのお世話役だったのです。
亀一は逃亡先で少女たちの面倒を見るどころか、拷問をした上で少女達をむごたらしく殺していた!!
真は少女たちが失踪する直前に必ず防犯カメラに映っていたことで、犯人として警察に疑われており、最終的には警察官の猿渡に殺されてしまいます。
猿渡が真を殺すように仕向けたのも亀一による狡猾な罠によるもので、全ては彼の手のひらでの出来事でした。
LL事件の模倣犯は雪村京香
そして、この15年後から物語は始まります。
浦島エイジは平凡な大学生ですが、たまに記憶がなくなっていることに違和感を覚えます。
記憶がない間に雪村京香という可愛い彼女まで出来る始末です。
自分が二重人格であることに気付いた浦島エイジ。
そんな中、LL事件の模倣犯が現れ畑中葉子が殺害されたことで物語は再び動きます。犯人は浦島エイジの彼女である雪村京香。
彼女は母に虐待されて押入れで生活をしていました。
LLが自分の姉である白菱凛を15年前に殺したことで自分の家庭が崩壊。この崩壊により母は自殺し、京香は虐待から解放されます。
虐待から救われてLLの崇拝者となった京香は、父親が殺人鬼LLであることをエイジに受け入れてほしいと思っていたのです。
畑中葉子を殺したのも、八野衣エイジでも浦島エイジでもない本当のエイジに会うためでした。
京香の殺人未遂犯は義姉の乙(おと)
そして、京香が浦島エイジの人格を壊そうとしてるその時。いきなり、エイジの義姉、乙に滅多刺しにされる京香。
乙は小さい頃にエイジに脅されて引きこもりに。
これに大きな恨みを持っており、エイジの大切なものを壊すために彼女の京香を殺そうとした訳です。
乙はエイジに罪を着せるために工作をし、まんまとエイジは殺人未遂容疑で逮捕。(ドラマでは逮捕されずにエイジは逃走してます。)
ちなみにエイジは乙が犯人とは知らず、刺したのはLL事件の真犯人だと思っています。
エイジ逮捕から即脱走
エイジは京香の殺人未遂犯が真犯人LLなのかを確認するために留置所から脱走します。
京香の入院している病院に行くも、彼女にナースコールで撃退されるエイジ。
しかし、エイジの目的は京香の入院している部屋に隠しカメラを設置することでした。
計画通り!!とドヤ顔のエイジ。
真を殺した真犯人が判明
そんな中、女性警官の桃井による導きにより、真明寺(エイジの同級生でパートナー的な役割)と共に八野衣真を殺した犯人に迫ります。
エイジたちは犯人が猿渡敬三だったことを突き止めるも、実は猿渡と桃井による罠であり、桃井の銃弾により倒れるエイジ。
エイジが倒れ、桃井に追い込まれる真明寺は、八野衣真の死の真相が桃井のスキャンダルを防ぎたい猿渡の独断であったことを知る。
そこにエイジ現る。実は桃井の裏切りも読んでいたエイジは防弾チョッキで無傷だったのです。
そして、エイジたちとの死闘の末に桃井と猿渡は死亡してしまいます。
真を殺した真犯人は分かったものの、LL事件の真犯人では無いと分かったエイジは再びLLを追うことに。
京香が再び乙に襲われる
手がかりもほとんど無くなった中、京香が再び犯人の乙に襲われます。
病院に隠しカメラを仕掛けていたエイジは犯人が義姉の乙であることを知ってしまいます。
京香を襲った犯人がLLではないと知り、LL事件の真犯人なんていないのだと絶望するエイジ。
しかし、京香の示したヒントでついに真犯人にたどり着きます。
真犯人の浦島亀一と対峙
京香が残してくれたヒントは1枚のメモでした。
そのメモを頼りに調査を続けることで、エイジは浦島亀一が犯人と断定。
浦島家に乗り込み、亀一と対峙します。
アリバイも崩された亀一は殺人の動機を語ります。
彼はたくさん人を殺しており、人を殺すことに飽きてしまったのです。
強い虚無を感じた亀一はこの虚無を世界中にばら撒きたいと考えました。
そこで、考えたのが人に罪をなすりつけるという嘘物語。つまり、LL事件だったのです。
真が犯人役に選ばれた理由
LL事件の主役となる犯人候補は何人かいたようなのですが真が選ばれた理由が判明します。
真の背中に「JUST A SIN」腕に「KILL」というタトゥーが彫られていたのです。
「JUST A SIN/KILL」を並び替えると
「SATUJINKI LL」つまり、 殺人鬼 LLになります。
LLという言葉が誕生した瞬間であり、あまりの理不尽な理由で父親が犯人にされたことに怒るエイジ。
そんな中、大笑いする亀一。
彼は真の息子であり自分の息子でもあるエイジに殺されることを望んでいたのです。
それがLL冤罪事件のネタばらしの最高のフィナーレになる、と。
エイジは葛藤します。そして、銃声が街に鳴り響きます。
亀一は死刑になる
エイジは最終的には亀一を殺すことはせず、法の裁きを受けさせる決断をしました。
亀一は15年前のLL事件の真犯人として死刑が決定。
雪村京香の真実
最後に雪村京香と浦島エイジの伏線が回収されます。
雪村京香は浦島エイジという人格を壊し、彼を殺してしまいました。
彼女の願いは八野衣エイジと浦島エイジを1つにして、本当のエイジに出会うこと、だったはずなのですが。
京香は自分が殺人鬼であることを告白しても、自分のことを思ってくれた浦島エイジに、生きてほしいと無意識化で感じていたのです。
八野衣エイジがLLの正体を知ることで復讐心が無くなり、浦島エイジが戻ってくるのではと考えた京香。
エイジに真犯人LLのヒントを与えていた理由は浦島エイジにもう一度会いたかったから、だったのです。
しかし、浦島エイジは帰ってきませんでした。死んだ人間は生き返らないからです。
殺したのはお前だ!とエイジに言われ、雪村京香は号泣します。彼女の本当の姿を見ることが出来る貴重なシーンです。
エイジ出所後
エイジは2年後、出所します。
真明寺にクラッカーで出所を祝われるエイジ。
驚いたエイジは無意識に耳を触ります。
この癖は真明寺だけが知っている浦島エイジのものでした。
真明寺はそれを見て微笑み、最後は浦島エイジでも八野衣エイジでもない本当のエイジの顔ドアップで物語は終了。
以上がザックリしたネタバレになります。
真犯人に関する伏線はほとんど無いので、私は亀一を全く疑っていなかったですね。
そもそも、1巻ごとに怒涛の展開なので、真犯人って誰なんだろう?と推理する間もなく読破してしまった感はあります。
でも、真犯人が分かった瞬間の衝撃は凄かったです。
リアルタイムで読んでいた読者は真犯人探しで盛り上がったんだろーなぁ。うらやましい。
親愛なる僕へ殺意をこめての感想
1巻から最終巻まで怒涛の展開で、息をつく暇がない漫画でした。
人間関係が非常に複雑なため、何度も読み直しましたね。
さて、親愛なる僕へ殺意を込めてとは一体誰に向けての言葉なのでしょうか?
私は始めは二重人格であるB1こと八野衣エイジと浦島エイジに向けられたものだと思っていました。
しかし、物語を読み終えた時には全く別の感想を持つように。
この「親愛なる僕へ」とは、読者それぞれ1人に向けた言葉なのかもしれない。
どういうこと?

そもそも物語では多くの人間が他人の悪意にさらされて、不幸になっています。
真はLLの悪意、猿渡と桃井もLLの悪意に、義姉の乙はエイジの悪意、京香は母の悪意によって不幸になっています。
他の人間も誰かの悪意により最終的に死んでしまったり、不幸になり、それがさらなる悪意を生み出して連鎖していきます。
しかし、浦島エイジは一切の悪意を生み出さず、ひたすらに雪村京香のことを想いました。
そして、その想いはエイジの復讐心すらも溶かし、エイジは最終的に亀一に直接手を下すことはしませんでした。
では、親愛なる僕へとは一体誰なのか?読者一人一人、つまり私に向けたメッセージではないかと考えたのです。
殺意を込めては悪意に立ち向かうという意思だと考えます。
人間は必ずどこかに妬みや悪意を持って生きているけれども、その悪意を連鎖させないためにも必死に立ち向かえ!そして連鎖を断ち切って幸せになれ!というメッセージではないでしょうか。
今、わたしたち人間はインターネットやSNSの発達により、醜い心、悪意を育てやすい環境になっています。
小さなことで炎上し謝罪をさせられる人間が一体どれだけいることか。
小さなことで不平不満を言って、周りの気分を悪くさせている人間が一体どれだけいることか。
悪意は回りに回って凄惨な事件も後を絶ちません。
このような悪意を断ち切るためにも、復讐心や妬み、嫉みといった負の感情に立ち向かって私も日々、精一杯幸せに生きていこうと思いました。
勝手に解釈してるけど、多分作者の解釈とは全然違うと思います。
でも、どう感じるかは人それぞれです。
大事なことは素晴らしい作品に出会ったのだから、そこから何かを自分で感じとればいいと思っています。
私はこの作品に出会い、浦島エイジの優しさに心を打たれました。
だから、私はこう思うのです。
明日は旦那のおかず、一品増やそう!
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